特集 看護倫理が医療を変える
リスクマネジメントで問われるこれからの看護倫理
嶋森 好子
1
1前:日本看護協会
pp.521-525
発行日 2001年7月10日
Published Date 2001/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901452
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
1999年,日本の医療のあり方が問い直されるような医療事故が発生した。それ以後,雪崩が起きるように,あちこちから医療事故のニュースが報道されている。人々は,医療従事者に対する不信や,自分が医療を受けることの不安を抱くようになり,医療のあり方について,強い関心をもつようになった。医療現場では,自分の受ける医療についての関心というより,不安から監視をするという姿勢で,医療従事者の行なう医療行為に注意を向けるようになった。
医療従事者は,患者の監視を受けながら医療を提供しているような気持ちになり,日々緊張の中で過ごすことになっている。その上,この緊張感が,新たなリスクを生じるような結果となっている。これに耐えられなくなった新人看護婦が,突然,職場に来られなくなったという事態まで起きている。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.