今月の主題 肝臓癌の臨床検査
巻頭言
肝臓癌早期診断のために
小俣 政男
1
Masao OMATA
1
1東京大学大学院医学系研究科消化器内科
pp.1175-1176
発行日 2005年11月15日
Published Date 2005/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100280
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B型肝炎,C型肝炎の新規感染患者は激減した.しかしながら,慢性の感染症によって惹起される肝癌の死亡に関しては,いまだ上昇を続けている.最近の肝癌死亡者数は,34,000人と報告された.現在は8割がC型肝炎,一方B型肝炎は1割となり,この肝癌死亡の主たる原因は肝炎ウイルス感染症,中でもC型肝炎によるものが相対的に増えていることが判明している.C型肝炎の感染から発癌までは30~40年,時には60年を経て癌が発生する.したがって,この肝癌への道のり,すなわち自然史が明確にされた現在において,癌発生を予防,治療し,更には再発を抑止する肝細胞癌のPrimary,Secondary,Tertiary Preventionがそれぞれの段階においてより効率的に行われることが求められ,またその努力がなされてきた.
今回の特集は,このPrimary Preventionを視野に入れた特集号であり,肝癌の早期診断をいかに行うか,という点において,それぞれの領域のエキスパートにご担当いただいた.
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