Japanese
English
特集 癌のSurgical Emergencies
肝臓癌における肝臓破裂
Surgical treatment of ruptured malignant hepatoma
菅原 克彦
1
,
和田 敏夫
1
,
飯村 譲
1
,
木村 幸三郎
2
,
東 皓雄
2
,
友利 千之
2
Katsuhiko SUGAHARA
1
1山梨医科大学外科
2東京医科大学外科
pp.357-362
発行日 1985年3月20日
Published Date 1985/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208959
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原発性肝細胞癌は肝硬変を8割前後に併存しており,日本肝癌研究会の集計では11%に癌部の破裂が報告されている.肝癌破裂症例は前駆症状が続いた後,腹部膨満を訴え,やがてショック状態となるので診断は比較的容易である.重要臓器機能の保全を企図した対ショック療法を施行する一方,超音波エコーを用いて腹水の有無,癌部の局在,門脈内腫瘍塞栓に関する情報を集める.緊急的肝機能検査を施行する.腹水500ml以下,総ビリルビン値5mg/dl以下,プロトロンビン時間60%以上で局所的に切除可能と診断すれば肝切除術を施行する準備を早急に行う.肝切除の適応がない症例では肝動脈結紮,塞栓療法を考慮するが治療効果は乏しい.
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