カラーグラフ Practice of Endoscopy
食道内視鏡シリーズ・Ⅴ
噴門癌の早期診断
竹下 公矢
1
,
羽生 丕
1
,
遠藤 光夫
1
1東京医科歯科大学第1外科
pp.153-156
発行日 1989年2月20日
Published Date 1989/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210276
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はじめに
食道胃粘膜接合部近傍に発生するいわゆる噴門部癌は,いまだに早期癌の頻度が低く,したがって外科治療成績も不良である1).元来,この部位の癌の出現頻度は他の食道癌,胃癌に比較して低いものの,画像診断上とくに意識して観察しなければ見逃される場所として指摘されてきた.ところが近年になり,前方直視型のパンエンドスコープや電子スコープの普及により,上部消化管検査の際の通り路という概念2)から,この部位の病変にも大いに目が向けられるようになった.
本稿では以上のような観点から,与えられた主題に基づき,食道胃粘膜接合部より2cm以内に存在する胃癌の早期診断の実態ならびに内視鏡的手技について,自験例を中心に述べてみたい.
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