今月の表紙 臨床生理検査・画像検査・13
腎のびまん性変化の超音波像
谷口 信行
1
Nobuyuki TANIGUCHI
1
1自治医科大学臨床検査医学
pp.4-5
発行日 2005年1月15日
Published Date 2005/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100201
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腎は,脂肪組織(脂肪被膜と呼ばれる)により囲まれる後腹膜の実質臓器で,さらにその周囲は前後のGerota被膜と呼ばれる線維性被膜に挟まれる(図1).その超音波像は,中心の高エコーの部分とその周囲の実質に当たる低エコーの部分に分けられる.実質エコーはさらに皮質部分と,髄質部分に分けられるが,後者はその解剖学な形態から錐体部とも呼ばれている.描出条件の良い例を拡大して腎の細部を観察すると,髄質部の乳頭から腎盂に近い髄質内帯部は低エコーであるが,皮質に近い髄質外帯部の輝度はあまり低くない(図2).超音波検査で描出される低エコー部は,造影CTで描出される錐体の大きさに比べて小さく観察される理由は,このためと考えられる.また,錐体の低エコー内に,尿細管の走行に沿った縦方向の線状エコーが観察される.
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