今月の表紙 臨床生理検査・画像検査・2
超音波のアーチファクト2
谷口 信行
1
Nobuyuki TANIGUCHI
1
1自治医科大学臨床検査医学
pp.116-118
発行日 2004年2月15日
Published Date 2004/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100854
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超音波のアーチファクトは,Bモード断層像だけでなくカラードプラ法,パルスドプラ法でも見られる.その中には,反射,屈折などのようにBモード断層像と同じ原理で見られるものと,ドプラ法特有の原理で起こるものに区別できる.
カラードプラ法で,前者に含まれるアーチファクトに,ミラーイメージがある.前号でも説明したごとく,超音波が強い反射体に当たって反射することが原因であり,カラードプラ法の信号でも同様にその後方にアーチファクトが観察される(図1).このアーチファクトは,頸動脈でみられる場合は血管後壁などが反射面になると考えられる.なお,カラードプラ法のアーチファクトが,断層像で観察できない部分でも見られるのは,ドプラ信号は前者と異なり位相の変化を表示していることと,より弱い信号が表現可能なためである.屈折によるアーチファクトも観察され,断層像で見られるものと同様二重の血管として観察される(図2).
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