癒しの環境
こどもに聴く
藤井 あけみ
1
1チャイルド・ライフ・スペシャリスト
pp.901
発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903396
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もしもあなたが「おやゆび姫」になったなら,世界はどう変わるでしょう.花びらは香りのよいベッドになるでしょうか.草むらのばったやありはどう見えるでしょうか.私たちが彼女と同じようにその世界を味わうことは不可能でしょう.どんなに想像力を駆使してみても限界があります.私はこれがおとなが「こどもにとっての癒しの環境」を考える際に踏まえるべき大前提ではないかと考えます.
ですからこどもにとっての癒しの環境の考察は,「これまでの小児病棟における生活環境がおとなの基準で考えられてきた」ことへの自覚から始められなければなりません.おとなは往々にして,こどものために自分がしていることは絶対によいことだと信じています.しかし,現実はこどものほうが気を遣って我慢したり,言いたいことがあっても言えない場面が多いのです.
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