IT革命は病院医療をどう変えるか・8
伊勢原市の新健康カードシステム
大櫛 陽一
1
,
永野 綾
2
,
山田 信夫
3
1東海大学医学部医用工学情報学
2東海大学医学部大学院
3伊勢原市保健福祉部健康管理課
pp.820-822
発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903378
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日本の社会全体で「改革」が叫ばれている.保健・医療・福祉の分野も例外ではない.その背景にあるのは支えきれなくなってきた医療費である.現在までに多くの対策が提案されてきたが,実行に移されているのは結果的には「患者負担増」である.しかし,この自己負担も3割となり,公的介護保険のように高齢者の年金からも徴収しており,限界に達している.しかし,高齢化は都市部に迫ってきており,従来の小手先の対策では医療需要を押さえることは不可能と思われる.本人と社会にとって最も望ましい方法は,「健康な老後」であろう.
厚生労働省では「健康日本21」をスタートさせており,われわれ研究者もこのプロジェクトを支援し,発展させていく必要がある.高血圧,脳血管疾患,糖尿病といった生活習慣病の多くは,日常生活の中でのライフスタイルが影響している.人ゲノムの解析が進み,遺伝子治療の試みも始まっているが,日本人の糖尿病のうち先天的原因は5%程度といわれ,世界的にも癌の原因の3分の2は生活習慣といわれている.
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