特別記事
マイナンバーカードが健康保険証になります
山下 護
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1厚生労働省保険局医療介護連携政策課
pp.453-457
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211210
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■はじめに
従来の健康保険証とは違い,顔写真が掲載され,ICチップがあるマイナンバーカードの仕組みを利用し,令和3(2021)年3月から,マイナンバーカードを健康保険証として利用できることとなる.
各医療機関は,社会保険診療報酬支払基金および国民健康保険中央会が構築している「オンライン資格確認等システム」とつながる.患者が,医療機関の窓口にある顔認証付きカードリーダーに自分のマイナンバーカードを置くと,マイナンバーカードのICチップを通じて,確実な本人確認と加入する保険の資格確認がオンライン資格確認等システムからできる仕組みだ.
この仕組みが実現すると,医療機関の窓口での保険証入力作業や資格過誤による返戻レセプトへの対応作業が極力解消されることになる.また,患者本人から同意を取得した上で,患者自身の過去の薬剤情報等をかかりつけ医に提供することも実現できる.他にも,患者は,高額療養費の限度額認定に関する認定証の情報も取得できることとなる.
医療機関の窓口や診療の現場など,医療機関での受診の流れを大きく変える一方で,従来はできなかった,より充実した診療環境が提供される可能性のある仕組みが「マイナンバーカードの健康保険証利用」であり,「オンライン資格確認等システム」である.本稿では,マイナンバーカードが健康保険証になることに関する全体像をオンライン資格確認等システムの内容とともに紹介する.
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