特集 人材開発と管理職研修
都立病院における入材開発の試み—都立病院「病院運営に関する研究会」について
足立 山夫
1
1財団法人東京都保健医療公社東部地域病院
pp.698-701
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903341
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都立病院における医師の管理職人材開発を目的とし,東京都衛生局病院事業部では,「病院運営に関する研究会」を平成6年7月に発足させた.都立病院には,八つの総合病院と六つの単科病院の計14病院があるが,一般医師に対しては都立病院間の人事異動は行われていない.事務系の職員が頻回に異動することと大きく異なるが,医師は患者の診療に直接結びついているため,異動すると患者の診療上混乱が生ずるとの判断によるものであろう.もっとも管理職である部長,医長についても,各診療科が大学の医局単位で構成されていることが多く,異動により大学医局との関係に混乱を起こしかねないとの思いもあり,原則として異動の対象とはなっていない.
しかし,副院長,院長については,診療にかかわる部分があるとはいえ病院の管理運営に直接関与する管理職として,その職責は十分果たすべきであり,また,その能力が求められていることから,また新しい意識づけの必要性からも原則異動の対象となっている.各診療科部長の職にある者の中から将来,副院長,院長の任にふさわしい人材を育成しておくことは病院運営上極めて重要であると言える.ここに「病院運営に関する研究会」が発足した理由がある.その内容と人材開発の実績について概要を述べてみたい.
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