連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第73回
都立豊島病院
岡田 新一
1
1岡田新一設計事務所
pp.985-991
発行日 2000年11月1日
Published Date 2000/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903138
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旧豊島病院は都立の総合病院の一つとして心臓病医療,未熟児医療など高度専門医療を実施するほか,感染症医療,障害者歯科医療などを重点として都民の医療ニーズに応えてきた.しかし,施設全体の老朽化,狭隘化が著しくなったため,都立病院として初めての緩和ケアや精神科医療,リハビリテーション医療の機能を加えての全面改築を行った.
敷地は板橋区の中央,中山道と川越街道の狭間に位置し,古くからの住宅地,商店街に囲まれている.昭和初期建設の旧病院本館は3階建ての洋館で,白壁に玄関の屋根はコバルトブルーのスペイン瓦,プロポーションのよい窓,うっそうと茂る木々の緑,その住宅的スケールが周辺の町並みに溶け込み,周辺地域の発展の核として地域住民の生活に深くかかわってきたといえる.このことが設計の発想の原点となっている.
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