特集 自立できるか自治体立病院
都立病院から21世紀の医療の創造を―都立病院の再編整備
押元 洋
1
1東京都病院経営本部経営企画部
pp.193-197
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100571
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東京都では石原慎太郎知事の提唱により,「開かれた医療」,「安心できる医療」,「むだのない医療」の三つの改革方針に基づく「東京発医療改革」を推進し,「365日24時間の安心を目指す医療」と「患者中心の医療」の実現に取り組んでいる.なかでも「都立病院改革」は,「東京発医療改革」の核と位置づけられている.
「都立病院改革」については,「都立病院の患者権利章典」の制定や総合的な救急医療サービスを提供する「東京ER」の整備などの施策を積極的に展開してきた.
また,これと並行して,知事の諮問機関である都立病院改革会議(座長:高久史麿自治医科大学学長)に,都立病院が担うべき医療機能や再編整備の考え方などの検討を依頼し,平成13年7月にその基本的な方向について報告書がまとめられた.
都は,この報告書を最大限尊重し,安全・安心を支える質の高い「患者中心の医療」の実現と都民に対する総体としての医療サービスの向上を図る具体的な道筋を明らかにするために,平成13年12月,「都立病院改革マスタープラン」(以下「マスタープラン」という)を策定した.マスタープランには,都立病院の基本的な役割,「患者中心の医療」推進のための考え方と具体策,再編整備の考え方およびスケジュール,改革推進体制,財政ルールなどが盛り込まれている.これらの改革を実現していくための期間は,おおむね10年を目途としている.
マスタープランの内容は多岐にわたるが,本稿では,特に都立病院の再編整備に焦点を当ててご紹介し,読者の参考に供したい.
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