特集 病院の医療情報発信
【座談会】医療に関する望ましい医療情報提供のあり方
長谷川 友紀
1
,
野中 博
2
,
見城 美枝子
3
,
河北 博文
4
1東邦大学医学部公衆衛生学教室
2博腎会野中医院
3青森大学社会学部社会学科
4河北総合病院
pp.587-594
発行日 2001年7月1日
Published Date 2001/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903316
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河北(司会) 昨年12月の第4次医療法改正の中で医業,あるいは歯科医業,病院,診療所の広告のあり方も改正になり,例えば財団法人日本医療機能評価機構の評価結果を広告できるようになりました.私は,医療機関自らが地域の中でパブリック・リレーションズを確立すること,つまり自分たちの理念,考え方,実際の活動を地域に浸透させていくことが必要だろうと思うのですが,いまだに広告規制の名のもとに広告が制限されており,医療に関しては情報が極めて不十分だろうと考えています.本日はこのことを前提にしてこ議論いただきたいと思います.
最初に,医療の質とは「必要な医療が適切に得られること」だというのが私の一つの結論です.「必要な医療」とは誰がどう決定していくのか,「適切に」とは,今までのように「あなたは専門家ではないのだから黙って私の言うことを聞きなさい」,「先生にすべてをお任せします」ということではないわけです.それから「得られる」とは,与えられることではなく自分が得るということがヒントになるだろうと思います.
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