レポート
パス法と医学管理—医師をリーダーとした当院独自のパス法の紹介
長谷川 芳男
1
1医療法人埼玉成恵会病院
pp.358-362
発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903257
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最近,クリティカルパスの名称がクリニカルパス(パス法)に統一され,各施設で急速に普及し,研究が進んでいる.パス法は,ある特定の疾患を持つ患者の入院から退院までをスケジュール化し,標準的な診療を施すことであることは周知のところである.しかしクリティカルパスとは,アメリカにおいて元来,工場などで最小労力で最大最高の生産効果を上げるための合理的な作業工程管理手法であり,医療面でも同様な考え方を導入したものである.したがって,入院診療中の医療費の抑制が大きな目的である.しかし,医療の効率化と質の向上が基本であることはいうまでもない.埼玉成恵会病院のパス法導入の歴史は浅いが,著者のパス法に対する基本的考え方は,医師が適応疾患を,パス導入前に症例検討を行ってむだのない効率的な診断・治療方針を立案し,医療チーム全員の参加により患者を中心に看護婦をコーディネータとして,標準的診療を行うことである.
今回は,適応疾患の実例を上げ,当院が進めているパス法の導入から実践までの手順を報告し,いささかの考察を加えながらパス法の重要点を指摘し,パス法が医療全体にどのように改善をもたらし,質の向上を図ったかについて紹介する.
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