第48回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/千葉 《パネルディスカッション》地域連携パスの有効性―座長/畑野 栄治
当院における大腿骨頚部骨折地域連携パスの運用状況とその課題
山崎 薫
1
,
古橋 弘基
1
1磐田市立総合病院整形外科
pp.127-130
発行日 2012年3月18日
Published Date 2012/3/18
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背景
大腿骨近位部骨折の治療では,手術から自宅へ退院するまでの過程を複数の病院や診療所が役割を分担し,1人の患者に対して統一したプログラムで治療やリハビリテーション(以下,リハ)を行って社会復帰を支援するシステムが構築されている.これは2006年4月より導入された地域連携パスと呼ばれる連携医療であるが,当院は当初より計画管理病院としての立場で周辺の回復期リハを担当する5つの医療機関(以下,回復期リハ病院)と連携し,大腿骨近位部骨折に対して可能な限りこの地域連携パスを利用して治療を行ってきた.
さらに静岡県西部地域では2010年7月に「静岡県西部地域広域大腿骨近位部骨折地域連携パス」が発展的に構築された.これは8つの計画管理病院,15の回復期リハ病院,70の診療所が参画するものであり,当院もこの地域連携パスの中で計画管理病院の1つとしての役割を担っている.運用開始後10カ月間における実績は,8つの計画管理病院全体では1244例に対して528例,42.4%が地域連携パスを運用した治療を行っており,当院においては263例のうち140例,53.2%が地域連携パスを利用して治療している(表1)1).
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