シンポジウム パス法の原理と経験の交流・1
日本病院管理学会159回例会・医療の質に関する研究会「パス法に関するシンポジウム〜その原理と経験の交流」より
パス法とその医療管理における意義
郡司 篤晃
1
1東京大学医学部健康科学・看護学科保健管理学教室
pp.153-158
発行日 1998年2月1日
Published Date 1998/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902334
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一般の産業,特に製造業では管理学が発達し,生産の効率,生産物の質の確保に大きく貢献してきました.科学的管理はベルトコンベア方式による流れ作業を作り,人間関係学派は人間は動機づけが重要だということを論じ,組織論学派は組織の形がその機能を決めることを研究してきました.これらはすべて現在でも使用され,生きている成果です.
しかし,人間の生命を対象とし,多用な技術の集積である医療では,管理学が発達せず,あるいは応用されず,いまだに確立されていない状況です.特に,わが国の医療界ではは,医療機関の開設者と管理者が同一であることが,その発達を遅らせてきた可能性があります.というのは,管理学はいかに効率的に働いてもらうかという学問だからです.医療の生産性と質の管理は理論および実践でも立ち後れていましたが,今や医療の質を確保しつつその効率を向上させることが焦眉の課題です.
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