病院ボランティアの提案—東札幌病院・16
病院の四季・2—秋を飾る
斉藤 悦子
1
,
石垣 靖子
2
1東札幌病院
2東札幌病院看護部
pp.897
発行日 2000年10月1日
Published Date 2000/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903115
- 有料閲覧
- 文献概要
十五夜のお月見飾り
中秋の名月を観賞する十五夜は,宗教的な意味も込めて私たちの生活の中に位置付けられている.十五夜のその日は朝から空模様を気にしながらボランティアたちは各病棟のデイルームを行き来し,夕方からの飾りの準備に余念がない.この行事は,東札幌病院の開院以来続いている季節の行事の一つである.
いつも見慣れたデイルームのテーブルを紫のクロスで覆い,ススキとともに秋の花々が活けられ,お供え物が名月の現れるのをじっと待つ.デイルームはすっかり秋のムードに包まれる.そして夕食後,三々五々と集まってくる患者さんたちとボランティアや職員たちとのお月見の集いが始まる.季節の行事はいつもそうだが,私たちの日常生活の中での一つの節目になることが多い.「もうこんな季節なのね.しばらくぶりで十五夜飾りをみました」,「子どもの頃はお供え物をそっと持ってきて親に叱られた」,「中秋の名月は思わず手を合わせたくなるものだね」などと会話がはずむ.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.