連載 医療事故・医事紛争防止とリスクマネージメント・11
リスクマネージメントの構築(3)
川村 治子
1
1杏林大学保健学部保健学科成人保健学教室
pp.955-958
発行日 1999年10月1日
Published Date 1999/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902826
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組織の成長・発展には必ずなんらかのリスクがつきまとう.その変化が急峻であればあるほど,内包するリスクもまた大きい.つまりゲイン(gain)とロス(loss)は光と影,あるいは車の両輪のようなもので,常に一対としてmanageされなければならない.リスクマネジメントはこのロスをコントロールする管理手法である.
これを病院に当てはめると,ロスの最たるものは医療事故や医療訴訟である.ゲインは「患者数の増加」,「在院日数の短縮」,「新たな医療機器や技術の導入」,「新たな医療分野への進出」などがある.つまり,業務量や業務密度の増加がスタッフのこれまでの行動に変化を強い,それに伴うリスクが発生する.新機器,新技術,新分野は,当然新たなリスクを伴う.こうしたリスクを前もって評価し,対応策を講じておく必要がある.
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