連載 医療事故・医事紛争防止とリスクマネージメント・10
リスクマネージメントの構築(2)
川村 治子
1
1杏林大学保健学部保健学科成人保健学教室
pp.760-763
発行日 1999年8月1日
Published Date 1999/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902776
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複数の施設の看護部門に協力してもらい「ヒヤリ・ハット」体験を収集している.分析してみると,実に約80%は施設を越えて看護部門全体に共通していることがわかった.一施設で取り組めば事故防止の道のりははるか遠いが,多数の施設がこうした個人の貴重な教訓を組織的に活かした成果を持ち寄り,事故防止マニュアル,卒後教育の教育材料として共有できればどんなに効率的かと思わずにはいられない.
さて,前回から看護部門でリスクマネジメント(以下,RMと省略)を立ち上げ,病院全体へと拡大していくプロセスを紹介している.医師の指示を受けて医療サービスの最終的な提供者になる看護部門は,重大な医療ミスの当事者となる確率が院内で最も高い部門である.まず看護部門にRMをしっかり構築できれば,事故防止にかなり貢献できるはずである.
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