特集 病院として介護保険にいかに対処すべきか
リハビリテーション病床の機能分化と地域リハビリテーション広域支援センター
石川 誠
1
1医療法人近森会近森病院リハビリテーション科
pp.533-537
発行日 1999年6月1日
Published Date 1999/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902721
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介護保険の基本的理念に「要介護状態の予防とリハビリテーションの重視」と掲げられているにもかかわらず,介護保険の議論の中でリハビリテーションに関しては最も遅れた分野といっても過言ではない.この理由には,介護保険全体の枠組みでは,衣食住などの基本サービスの基盤を整えることが優先されるため,リハビリテーションに関しては先送りとなっていたこと,介護保険関連の審議会などにリハビリテーションの専門家が参加していないことが上げられる.
しかし,介護保険創設が叫ばれる以前にはリハビリテーションの専門家が厚生省と協力し,精力的な検討が行われていた.例えば1989年の厚生省大臣官房老人保健福祉部老人保健課監修の「寝たきりゼロをめざして」,1990年の日本医師会・厚生省大臣官房老人保健福祉部老人保健課監修の「脳卒中リハビリテーションマニュアル」,1991年の日本医師会・厚生省大臣官房老人保健福祉部老人保健課監修の「機能維持期リハビリテーションマニュアル」などがその代表である.
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