特集 病院として介護保険にいかに対処すべきか
保健・医療・福祉複合体の功罪
二木 立
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.538-542
発行日 1999年6月1日
Published Date 1999/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902722
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「保健・医療・福祉複合体」(以下,「複合体」)とは,単独法人または関連・系列法人とともに,医療施設(病院・診療所)となんらかの保健・福祉施設の両方を開設し,保健・医療・福祉サービスを一体的に提供しているグループであり,その大半は私的病院・診療所が設立母体となっている.
「複合体」は1990年前後に初めて登場し,その後急成長し続けている.しかも,2000年度に創設される介護保険制度が医療施設の「複合体」化の流れを加速することは確実である.それだけに,21世紀の保健・医療・福祉システムを予測するうえでも,あるべきシステムを考えるうえでも,「複合体」の詳細な実態調査と医療経済学的分析が不可欠である.筆者は1996〜1998年の3年間この研究に専念し,その成果は本誌連載および最近著として発表した1,2).
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