特集 病院サービスの新しいメニュー
地域リハビリテーション広域支援センター
石川 誠
1
1医療法人近森会リハビリテーション
pp.397-400
発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903264
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21世紀の超高齢社会において,最大の不安要因となっている介護問題に的確に対応していくため,介護保険制度をはじめとした新たな介護の仕組みが構築されている.この介護保険では,理念の一つに「要介護状態の軽減・予防や在宅における自立した日常生活の重視」と掲げられ,リハビリテーション(以下,リハと略す)重視の原則が打ち立てられている.
そこで,現在のリハに関する保健・医療制度上のサービスをみると,予防的リハとして老人保健事業における機能訓練事業,治療的リハとして医療保険の診療報酬制度におけるリハ施設により提供されている急性期や回復期リハ,さらに主に介護保険で対応される通所リハおよび訪問リハなどの維持期リハが存在する.しかし,これらのリハサービスを地域ごとに見ると,急性期・回復期・維持期の各ステージにおけるリハの役割が曖昧であったり,質量ともに地域間格差が大きいなど,十分なリハ提供体制が整備されているとは言い難いのが現実である.したがって,介護保険の自立支援,要介護状態の軽減・予防を図るためには,第1に寝たきりなどの発生を可能な限り予防する予防的リハ,第2に障害が発症すれば早期に開始される急性期・回復期リハ,第3に寝たきりなどの進行を阻止する維持期リハを量的にも質的にも充実し,各地域ごとに整備することが緊急かつ重大な課題となっているのである.
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