特集 病院として介護保険にいかに対処すべきか
療養型病床群の将来像
寺崎 仁
1
1日本大学医学部医療管理学教室
pp.528-532
発行日 1999年6月1日
Published Date 1999/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902720
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介護保険の施行まであと10か月足らずとなったが,本稿の執筆時点でも,介護保険制度の運用上の詳細がまだ明らかにされていない部分が多い.特に,「療養型病床群」についてははなはだ不透明であり,医療法改正など今後の議論の成り行きによっては,本稿の内容とかなり異なる状況が生ずる可能性もある.したがって,原稿執筆段階において筆者が知り得る状況に基づきながら,あくまで個人的な見解を多く含む内容で書かれていることを最初にお断りしておきたい.
さて,来春の介護保険法の施行を睨みながら,療養型病床群を「介護保険適用施設」とすべく,現在準備を進めているところも多いと聞いている.しかし,その一方で次期の医療法改正が盛んに議論されており,その中で病院の一般病床を「急性期(短期)病床」と「慢性期(長期)病床」に区分することが検討されている.そして,この慢性期(長期)病床と療養型病床群との関係については今もって明確な方針が示されておらず,関係者の疑心暗鬼を生みかねない状況にある.そのようなことを踏まえながら,「療養型病床群」の今後について,今までの経緯を振り返りながら検討してみたい.
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