民間精神病院はいま—21世紀への展開・13
愛光病院—精神病院のイメージチェンジと地域との連携をめざして
竹内 知夫
1
1愛光病院
pp.184-189
発行日 1999年2月1日
Published Date 1999/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902635
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
一般的な精神病院としてスタートした愛光病院も,筆者が病院創立25周年を機に院長に就任(1980年5月)して以来,精神疾患の中核たる精神分裂病を中心とした精神科医療を前面に打ち出し,看護の人的充足と質の向上,作業療法・レクリェーション療法の充実に励み,「自分および自分の家族・知人が入院できる病院づくり」を目標に今日まで展開してきた.1981年以降常に入院患者の85%が精神分裂病という状況が続いたが,建物の老朽化が進んだことと,これまでの構造が時代とともに,精神医療をやりにくくしてきたこともあり,1992年に新病棟建築を決意し,1995年7月に新病棟をオープンさせた.3年近い期間構想を練り,その間全国各地のいろいろな病院を見学させていただいたり,設計士に代わりに見学して来てもらったりもした.新病棟には,思春期病棟,静養病棟など今盛んにいわれている機能分化を先取り導入し,デイケア,ナイトケア,作業療法室なども充実させた.既に1990年には社会復帰福祉ホームも設立しており,入院から退院,社会復帰までの一連のメニューは揃えたつもりである.また,思春期病棟開設を前に地元の教育関係者,関係機関との連携ネットワーク作りも立ち上げ,今日も継続している.図1,2に当院の全景を示す.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.