医学ごよみ
2月—February 如月
木村 專太郎
1
1医療法人喜悦会那珂川病院
pp.191
発行日 1999年2月1日
Published Date 1999/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902636
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□7日 日本最初の人体解剖
宝暦4年(1754)のこの日,山脇東洋は,京都の刑場で断首された罪人の死体を,日本で最初に解剖を行った.その17年後の明和8年(1771)3月には,杉田玄白と前野良澤らが江戸の骨ケ原で死体解剖を観察し,これがきっかけで,『解体新書』が完成したことはすでに本シリーズで紹介している.
山脇東洋は,それまでたくさんの獺(かわうそ)の解剖を行い,ぜひ人間の解剖をしてみたいと,念願していた.獺の身体構造は人間と似ているといわれているが,歴史的にみても紀元後2世紀のローマの医師ガレノスが,獺の解剖を行い,それを人間と同じだとして発表している.しかし1543年にヴェサリウスが人体解剖を行い,ガレノスの間違いを正したことも,たいへんに有名なことである.
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