あなたのなかの現代
イメージチェンジ—2つの政党への“変身”のすすめ
鈴木 均
pp.134-135
発行日 1970年4月1日
Published Date 1970/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914859
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迫られたイメージチェンジ
弘田三枝子がすっかり痩せて別人のようになった。可愛いタミー・ドールのようになったところで,“人形の家”が大ヒット,歌も売れたが,彼女の痩せた秘訣を書いた『ミーコのカロリーBOOK』まで売れだした。藤ユキも去年,アン・真理子と改名して,イメージをチェンジ“悲しみはかけ足でやってくる”でカムバックした。
古くは演歌の田端義夫,新しいところではロカビリーの佐川満男などと,歌手のカムバックが芸能界ではよくみられるところである。しかし,カムバックができるのは実に稀なのであって,大半はいったん沈みだすとそのまま沈んで二度とは浮びあがれない。たとえ実力はあっても,彼らの歌うリズムが,メロディが古くなって,新しい流派にとって代られることがある。そうなれば,タレントの価値は相対的に下落せざるをえない。歌のファッションの流れによって浮き沈みせざるをえない芸能界をわたってゆくためには,人知れない苦労がいる。
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