連載 医療事故・医事紛争防止とリスクマネージメント・5
医療事故/紛争事例から学ぶ(3)
川村 治子
1
1杏林大学保健学部保健学科成人保健学教室
pp.916-919
発行日 1998年10月1日
Published Date 1998/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902523
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医療事故を看護婦との関係で考えるとき三種の事故が存在する.一つは看護婦としての知識不足や不注意に基づく事故,次に看護婦に過失はあるが,その背景には医師や他の医療従事者および管理上の問題をはらむ事故,最後に看護婦に過失はないが,観察や知識が高ければ防ぎ得た医療事故だ.前二者はいわゆる看護過誤に類し,責任の所在としての看護婦が,一方,後者は事故防止に果たす看護婦の役割が問題となる.
さて,看護事故で多いものに転倒と注射事故がある.両者とも看護事故全体の約17%を占めている1).そこで,今回は注射事故を例として日常の看護業務での事故防止と,事故防止に果たす看護婦の役割を向上させるための院内教育のありかたについて考えたい.
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