連載 医療事故・医事紛争防止とリスクマネージメント・4
医療事故/紛争事例から学ぶ(2)
川村 治子
1
1杏林大学保健学部保健学科成人保健学教室
pp.724-727
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902474
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医療への不満に関する世論調査をみると,きまって上位にランクされるものに説明に対する不満がある.その不満は「説明が少ない」という単に量的側面のとどまらない.「説明がわかりにくい」,「もっと詳しい説明をしてほしい」など質的側面にも及ぶ.いずれにしても,説明に対する不満もまた予期せぬ不幸な結果と結びついた時,紛争化の重要な背景因子となりうる.
さて,説明にもいろいろある.侵襲行為に対する同意を得るための説明から,入院時のオリエンテーション,退院勧告や退院時の指導,検査後の結果説明,治療内容や予後の説明と日常診療のあらゆる場面でなんらかの説明が行われている.
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