連載 医療事故・医事紛争防止とリスクマネージメント・3
医療事故/紛争事例から学ぶ(1)
川村 治子
1
1杏林大学保健学部保健学科成人保健学教室
pp.542-544
発行日 1998年6月1日
Published Date 1998/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902432
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確実な知識と技術,および確認があれば医療ミスなど起こり得ない.しかし,人間対人間の業務でおよそ確実などということは望めない.何千分,何万分かの一の確率で必ずエラーは起こる.しかし,もし起こることを想定して,防止のための工夫を一つ,二つ張り巡らしていれば,その発生確率はぐっと低くなる.また,たとえ起こったとしても重大な結果だけは免れる.
胸をなで下ろすようなニアミスを時に経験する.それらの事例を検討すると何らかの幸運な状況が介在して事故には至っていない.つまり,事故防止はこの「幸運」をいかに普遍化するかにかかっている.
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