病院管理フォーラム 診療情報管理はいま・4
がん登録と診療情報管理
大津 淑子
1
1大阪府立病院病歴室
pp.927-929
発行日 1997年10月1日
Published Date 1997/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902230
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がん登録には,①病院の医療活動の評価や患者のフォローを主目的として実施される院内がん登録,②地域におけるがんの罹患(発生)率,受療状況の把握,生存率の計測などを主目的とする地域がん登録,③がんの臨床病理学的特徴と進行度の正確な把握に基づく適切な治療指針の確立,進行度分類にあり方などを検討するために実施される全国臓器がん登録などがある.
図1に米国のがん登録システムをわが国と対比して示した.米国では,各病院における院内がん登録と州レベルの地域がん登録と国レベルのSSER計画の3段階の登録システムが互いに連携をとりながら,高精度のがん登録システムを構築している.わが国では,道府県市の地域がん登録が中心で院内がん登録はほとんどの場合整備されていない.そのため地域がん登録へのがん情報の届け出は病院,診療所の篤志に依存しているのが現状である.また国レベルのがん登録機構も今のところ設立されていない.
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