病院管理フォーラム 診療情報管理はいま
大阪府立病院における診療録(情報)管理の状況
大津 淑子
1
1大阪府立病院病歴室
pp.556-558
発行日 1997年6月1日
Published Date 1997/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902136
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はじめに
毎日の新聞紙上に,あるいは放送で,インターネットという単語を見たり,聞いたりしない日はないくらいに現在は情報がキーワードの社会である.診療録管理や診療情報管理に対する基本的な考えは,田原孝先生の言葉1)を借りれば「医療の基本は情報であり,それは診療録に集約される.診療録は実践している医療の内容,質,職員の意識を直接反映する鏡であるとともに,学術性の確保,医療評価,医療経営の戦略策定,医療資源の有効活用などに関する基本データを含む“医療の情報資源”である.したがって,診療録管理を柱とする診療情報の活用こそ医療の基盤整備であり,医療の質の改善に直接つながる」というものである.
第二次世界大戦争後間もなく(1951年)日本占領軍(GHQ)の指導のもとに,国立東京第一病院で実践された近代的診療録管理は,物としての管理(ライブラリーとしての価値)から46年経って以上のように診療情報管理に変身しようとしているのである.そこで現在の診療録管理の現状を,特別に進んでもいない,むしろいろいろな問題を抱えながら活動している当院を通じて紹介していきたい.
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