医療ビッグデータと外科 医療ビッグデータ総論
がん登録等の推進に関する法律に基づく全国がん登録データベース
柴田 亜希子
1
1国立がん研究センターがん対策情報センター がん登録センター全国がん登録分析室
キーワード:
医事法制
,
腫瘍
,
データ収集
,
データベース
,
登録
,
疾患届出
Keyword:
Data Collection
,
Legislation, Medical
,
Neoplasms
,
Registries
,
Disease Notification
,
Databases as Topic
pp.469-474
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016229895
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
がん登録等の推進に関する法律(以下,がん登録推進法)が2016年1月に施行された.同法は,法律名に「登録」を冠し,法令内に「データベース」を含む医療分野初の法律である.全国がん登録データベースには,1年間で85万件を超える情報が保存されると推計され,医療領域における大規模データが誕生する.また,同法は単なる統計の作成にとどまらず,登録された情報の十分な活用について明記された特別な法律である.全国がん登録データベースでは,2016年に診断された癌の罹患の情報について2018年12月までに審査・整理され,癌対策の企画立案や調査研究のための情報の利用と提供の開始が予定されている.一方で,全国がん登録情報は,癌の罹患,診療,転帰などに関する情報が特に適正なとり扱いが求められる情報であるとして,国民が納得するかたちで厳格に保護されなければならないことを理解して活用する必要がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2016