レポート
日本病院会のエイズ関連事業についてHIV/AIDS EDUCATION
高柳 和江
1,2
1社団法人日本病院会ストップエイズキャンペーン委員会(SAC)
2日本医科大学医療管理学教室
pp.464-467
発行日 1997年5月1日
Published Date 1997/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902114
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川田龍平氏の勇気あるカミング・アウトと菅直人厚生大臣(当時)の行動で薬害エイズで激動した1996年(平成8)であったが,問題は性交渉で感染するエイズにもある.性感染によるHIV感染者およびエイズ患者が増加してきている.一時より下火になったとはいえ,いまだ現場では患者は差別され,医療提供者は診療を拒否している実態がある.エイズに対して正しい理解を深め,差別なく適切な医療を行うことは医療提供者の使命である.同時に,一般にHIV感染についての知識を広め,HIV感染者およびエイズ患者とともに生きる姿勢を教えるのは医療人としての義務であろう.
エイズ医療に組織的に本格的に取り組んだのは日本病院会が初めてである1).1993年に諸橋会長を本部長とするエイズ対策本部を作り病院会会員病院にエイズ医療の実態調査を行い,また,拠点病院を募った.その結果57病院が自発的に日本病院会のエイズ拠点病院として登録した.さらに1993年9月にストップ・エイズ・キャンペーン企画委員会(SAC)が発足した.SACの目的は医療提供者にエイズ医療を受け入れてもらうこと,もう一つは一般の人にストップエイズの知識を伝えることである.また,エイズ対策本部はエイズ対策室と組織替えをして1995年にはSACとともにエイズ・ウォームラインが発足した.
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