病院の高齢化対策
病院歯科としての高齢者治療の在り方—訪問・在宅治療の問題点
山﨑 正
1
1厚生連小諸厚生総合病院歯科口腔外科
pp.1189-1191
発行日 1995年12月1日
Published Date 1995/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901688
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はじめに
数十年間いろいろな食物を咬み続けてきた歯は充分な手入れを怠るとしだいに抜け落ち,入れ歯を用いなければ食事ができなくなる日を迎えるのが何人も避けて通れない老いのプロセスです.しかし高齢者は歯の治療を望んでも各種全身疾患などのため介助者がいなくなければ通院が不能であったり,寝たきりで治療を受ける機会にめぐまれない場合もあります.
歯科における受診患者は出生率の低下と相まって医科と同様に高齢者の割合が増えています.一方近年,歯磨きの重要性や歯周病に対する心得などの口腔衛生思想は歯ブラシや歯磨き粉のテレビ・コマーシャルとともに全国に浸透しており,患者の治療に対する意識も高く診療者側もそれに見合った治療を要求されています.
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