主張
特定療養費と病院経営
N
pp.433
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901503
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特定療養費制度の拡大により患者負担を求めることのできる項目は現在,高度先進医療,特別の療養環境,予約診療,診療時間外診療等の外,特定機能病院における紹介患者,歯科におけるメタルボンド,総義歯が導入されている.このうち従来一般的な病院経営に大きく関与して来たのは室料差額であった.平成6年診療報酬の改定と共に全病床の50%までの特別室の提供が一定の条件下で可能となった.しかし,全国的に見ると室料差領による収入は病院経営の中に占める割合はまだまだ低くその上地域差,病院差は著しい.
将来病院経営を考えるとき,特定療養費の拡大による収入がどう影響してくるのか大きな問題と言える.確かに療養環境改善,初診料,再診料等の技術料,あるいは入院時の食事に関する診療報酬上での評価は低い.より良い医療環境,アクセスの良さに対して特定療養費がなじむのかどうかが問題点としてクローズアップされて来ているのも事実である.この問題は今後必ずや医薬品をどうするのかにも波及するであろうし,ペースメーカーや人工骨頭等の高額医療機器を入れるか入れないのか論議が白熱する点でもある.
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