特集 特定療養費制度の功罪
当院における特定療養費制度の活用
特定療養費制度への提言
天願 勇
1
,
白石 清隆
2
1医療法人かりゆし会沖縄ハートライフ病院
2医療法人かりゆし会沖縄ハートライフ病院企画広報部
pp.453-456
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901508
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はじめに
第2次大戦後50年を経た日本国民の多くは,自ら中流を意識し,衣食住ともリッチな「グルメ時代」を迎えている.
医療の分野では国民皆保険に加えて,民間保険の加入率も上昇し,医療保険業界の規制緩和が叫ばれている中で,我が国の健康保険法も改正を余儀なくされている.そのような時代の変遷と国民多数の中流意識を考えた時,国際社会における先進諸国の一員として我が国の病院のアメニティ,特に入院施設の質は見直さなければならない.見直しの視点にも様々な立場があるがその基本はあくまで患者の側に立ち,供給側の医療機関の意見を参考にして,行政は調整役に徹し規制は必要最小限にしていくのが21世紀という時代のトレンドであろう.健康時の日常生活と患者になった時の入院生活のギャップは心身に多大な影響を及ぼし,病状の回復にも影響してくる.特定療養費制度の運用に関して言えば,病人だからこそ快適な環境とサービスを求めるのは当然であり,その基準を定めるにあたって,アメニティを損なうようなトップダウン式の規制は極力減らし,より良い医療サービスが提供できるようになされるべきである.
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