特別企画 高齢者のケア・3
高齢者ケアと支払い方式—RUG-Ⅲによる費用保障の妥当性
高木 安雄
1
1社会保障研究所調査部
pp.466-471
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901511
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はじめに
高齢者の長期ケアに関するMDS(Minimum Data Set)とRAPs(Resident Assessment Protocols)による「高齢者ケアプラン方式」の今日的な意義とその可能性については,前述のとおりであり,ここでは,適正な費用保障の観点からMDSによるアセスメント結果をもとに開発されたRUG-Ⅲ(Resource Utilization Groups)の日本における検証をふまえて,施設に入所する高齢者のケア必要度・重症度に応じた支払い方式の必要性とその課題について考察する.
わが国の高齢者の施設ケアが,老人病院,特別養護老人ホーム,老人保健施設という医療・福祉・保健の分立した体系の下で供給されていることは周知のとおりであり,その費用保障もそれぞれの制度体系でなされている.しかし,老人病院について1日当たりの定額による包括的な「入院医療管理料」が導入されたことを契機に,以下の3つの点からこれら施設群におけるサービスの評価と連携,その費用保障のあり方・調整は大きな課題となっている.
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