1200字通信・49
平穏死―新しい看取りの文化
板野 聡
1
1寺田病院外科
pp.143
発行日 2013年2月20日
Published Date 2013/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104475
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最近,ようやく「緩和ケア」という言葉が言われ始めてはいますが,これまで医学は人の死を敗北と考えてきたようで,高度医療や癌治療の現場では,いまだに人の死は受け入れられていないように思えます.また,医療現場では,その是非は別にして,光と陰が生まれ,その光が強ければ強いほど陰は深くなり,そうした陰の部分に看取りの問題が取り残されているようです.
そんな事を考えていたとき,長尾和宏先生の『「平穏死」10の条件』(ブックマン社)という本に出会いました.早速読み始めると,「そうそう,その通りなんだ」と相槌を打つことばかりで,まさに日頃から考えていた「陰」の問題を余すところなく書いておられ,同じことを考え,かつ実践されている先生がおられることに感激することになりました.
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