特集 揺れる基準看護
緩和ケア病棟の看護—患者1.5人に一人の看護婦は何をしているのか
金井 昱子
1
,
中山 好枝
2
,
丸口 ミサヱ
3
1救世軍清瀬病院
2救世軍清瀬病院ホスピス病棟
3国立がんセンター東病院緩和ケア病棟
pp.343-349
発行日 1994年4月1日
Published Date 1994/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901206
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トータルケアを追求する救世軍清瀬病院ホスピス病棟
はじめに
近年,医療法の改正をはじめ,医療の変革を促す諸施策が次々と施行される中,所属病院の存亡をかけた模索が始められている.緩和ケア病棟の承認を受けると1人1日当たり,3万円の入院料(定額支給)が入るため,その魅力に食指が動くのか,問い合せが結構あると聞く.「積極的延命治療はないが,病状緩和にかける注射・処置の費用が馬鹿にならない」「看護婦の質が問われ人件費が大変」「チーム医療の中で霊的ケア(精神的ケア)が必要」などと現状を話すと,必ずしも美味しい話ではないとわかり,うちでは出来ないとあっさり結論を出すところもあるらしい.
日本にホスピスが紹介されたのが1978年.そのプログラムがスタートしたのが淀川キリスト教病院であり,施設第1号は聖隷三方原病院であった.先駆者として不採算と無理解な多難な時期を経て10年,地道な活動が認められ,1990年4月,厚生省は緩和ケア病棟のガイドラインに基づき,3つの施設を認可した(但し,そのうち国立療養所松戸病院は92年に国立がんセンター東病院に改組).1994年2月までに12施設が認められ(表1),ホスピスプログラムを展開している病院は30施設余となっている.
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