特集 揺れる基準看護
付添い制度の解消と、その後を考える—東京・木村病院の経験から
牧子 智恵子
1
,
木村 佑介
1
1木村病院
pp.338-342
発行日 1994年4月1日
Published Date 1994/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901205
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看護部長の立場から
看護婦不足という深刻な事態から看護問題がマスコミによって嵐のように吹き荒れました.最初は3Kで始まったのが5Kになり,いつの間にか8Kになっているといった具合に,ともすれば暗さ,厳しさばかりがクローズアップされた感がありました.それも喉元すぎれば何とやらで,不景気も手伝ってか,あれほど騒がれていた看護婦不足問題も今はなりを潜めています.
さて,厚生省は給食費の一部を患者の自己負担とする代わりに,それを財源にして付添い制度の解消に着手しようとしています.しかし,この問題がここに至るまでに,戦後ほぼ半世紀を要したことになります.昭和25年に完全看護が制度化され,それが昭和33年に基準看護制度に改編されたあとも付添い制度は放置され続けてきました.行政が置き忘れ,そして看護界が残した恥部であったと言えるでしょう.
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