主張
勤務医師の将来
O
pp.209
発行日 1994年3月1日
Published Date 1994/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901175
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医師調査によれば,かつて数において勝っていた開業医師が,その後勤務医師の増加によって逆転してからすでに久しい.病院医師の優勢も,数年前から病院数が1万を割り込み,一貫して増加を続けて来た病床数も頭打ちとなり,ようやく翳りを見せてきたように思われる.病床数の減少が,直ちに勤務医師の減少に結びつくわけでもないが,今後医師が病院に勤務することの意味,ひいては病院と医師の関係の変化について考えておくことは無駄ではないであろう.
医師の就業形態が,世代によって大きく異なることは言うまでもない.わが国の開業医師は卒業して医師免許取得後,大学病院や医局講座の関連病院において研修し,一定期間勤務医師を経験してから開業する,というライフスタイルが多いとされてきた.事実,先の医師調査で年齢別の就業形態を見ると,65歳前後にピークを持つ開業医師と,若年から45歳位まで張り出した主として勤務医師によるプラトーとの間に,深い谷間を形作る特異な構造を持っている.
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