ひとこと
時間外勤務
佐藤 和身
1
,
川端 邦弘
2
,
宇佐美 一彪
3
,
O
1日大駿河台病院中検
2大阪府立公衆衛生学院
3中央鉄道病院中検
pp.940-941
発行日 1977年12月1日
Published Date 1977/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201526
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一般的に時間外勤務とは,労働基準法に定められた労働時間,またはその施設で規定した就業規則などによる勤務時間を超えて業務を行うことを言うものである.医療における時間外勤務は宿直制,日直制などにより"24時間体制"をとるための最も重要な制度であり,このほか日常業務の延長によって起こる超過勤務がある.
病院における24時間体制は歴史が古く,医師,薬剤師,放射線技師は宿直,日直制によって,また看護部門は交替制を実施している.反面,臨床検査部門ではこれらの制度をとっているところは意外と少ない.近代医療がチーム医療と言われている現在,臨床検査のみが医療組織から外れている事実は,絶対に見逃してはならないと思う.休日,夜間に急病者が運ばれることは非常に多い.一刻を争う病者のために適切な検査を実施して,医師が最良の診断と治療が施せるよう協力する責任と義務があることを強調したい.宿日直制を完全実施するためには種々問題がある.技師の増員,労基法の関係,緊急検査設備,検査項目の設定などが挙げられ,更には,24時間医療に対する検査技師の自覚が不足していることも一つの障害となる.
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