特集 病院医療の質の改善
病院医療の質の改善における病理部門の役割
石河 利隆
1
Toshitaka ISHIKO
1
1河北総合病院病理部
pp.470-474
発行日 1991年6月1日
Published Date 1991/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900934
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はじめに
日本医師会の病院機能評価検討委員会の中間報告1)によると,機能評価の実施体制を整備するためには,学術性,中立性を保持した第三者評価方式を取り入れる必要があることを強調している.事実,「病院機能評価マニュアル」2)を通覧しても,客観的評価方式とは言い難く,このマニュアルが現実の問題として,医療の質を高めるためにどの程度の効果を挙げることができるのか,いささか不安を感じざるをえない.
筆者は30数年にわたって,病院病理医の道を歩んできたが,病院医療の質を改善する担い手として,病理部門はきわめて重要な役割を演じていることを実感している.病理部門は中央科として,すべての診療科に公平に対応し,生検・手術症例や剖検症例に関する臨床病理討議会等を通じて,まさにpeer review同僚審査の主役を果している.病院における病理部門を客観的に評価する基準を整備し,そのシステム化を推進することにより,病理部門を強化することこそ医療改善の現実的近道であることを強調したい.
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