特別記事
医療記録の証拠価値
鹿内 清三
1
Seizo SHIKANAI
1
1厚生省保健医療局
pp.53-58
発行日 1991年1月1日
Published Date 1991/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900837
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医師法が予想していなかった電子カルテ時代
医師法は,診療録の作成・保管を義務付け「医師は,診察をしたときは,遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない.」と規定しているが,この法律制定当時には現在の電磁的記録方法は発明されていなかったのであるから,法律の「記載しなければならない」という規定はあくまでも紙の上で読み取れる記録方法を要求しているものである.したがって,現在の医師法は全くのペーパーレスカルテすなわち100パーセント電磁的記録方法による電子カルテというものは許容していない.
しかし,現実には診療録の情報処理化の要求が多くの関連機器を開発しており,コンピューターの導入によってカルテの内容は変わってきている.ことに診断画像の磁気記録,光記録,半導体メモリーは情報の管理には欠かせないものとなってきている.
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