特集 こんな勤務医はいらない
医学生からみた医師の将来イメージ—医学生の卒後進路調査から
寺崎 仁
1
Hitoshi TERASAKI
1
1日本大学医学部医療管理学教室
pp.425-430
発行日 1992年5月1日
Published Date 1992/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900094
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
今月号の特集テーマは,「こんな勤務医はいらない」と伺っておりますが,随分と刺激的なタイトルをお選びになったものだと感心しております.いよいよ医師も選別される時代に入ったのかと,ある種の感慨を覚えるのは私ひとりだけではありますまい.と言いますのも,医師数の過剰時代の到来が言われ始めてから,もう既に久しい年月が経過しており,その間私どもは学生に「患者に選ばれる医師」になることの大切さを言い続けて来ました.
しかし,今に到るまで医師を取り巻く環境は,まだまだ医師の側の売り手市場で,医療を受ける患者のニーズはさておき,「寄らば大樹のかげ」と言いますか,「大学の医局に居れば何とかなる」式の考えが簡単には改まる風潮になく,狼少年のたとえにあるように,「狼が来る」と学生や友人に言い続けた1人として,「ほらやっぱり来た!」と言えるような時代になったものだと思えるからです.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.