厚生行政展望
診療報酬点数改定(総論)
厚生行政研究会
pp.362-363
発行日 1992年4月1日
Published Date 1992/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900080
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4月1日より,診療報酬点数改定が行われた.昨年末の座談会「コーヒーブレイク」(第51巻13号pp.1086-1091参照)の時点では,バブル経済崩壊のため国家税収がかなり落込んでいるので,一般会計からの点数改定用財源の確保はかなり難しいと考えられていた.従来の点数改定は薬価の引下げを財源にしていたが,看護婦確保対策が叫ばれている中で十分な対策を行うためには財源をどのように確保するかが焦点であった.今回は健康保険法の改正により国庫補助率の引下げで1,300億円を確保するという大蔵省も医師会も喜ぶという大変奇抜な方法により厚生省は財源を確保した.
今回の改定は昭和56年以来の大幅改定で看護料の大幅アップと人員配置基準を設けた指導の強化,診察料・指導料のアップと慢性疾患指導管理料の廃止,総合病院における初診・再診の各科算定の見直し,手術料の大幅アップと5,000円以下の特定治療材料の包括化,処置料のアップとガーゼなどの衛生材料の包括化など,今まで懸案となっていたことを点数アップと抱き合せで解決していく姿勢が色濃くうかがわれる改定になった.
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