特集 女性医師のキャリアデザインと病院
巻頭言
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部マネジメント総合学科
pp.425
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102535
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」によると,2010年末におけるわが国の医師数は29万5049人,そのうち女性医師は5万5897人で,全体の18.9%に及ぶ.近年の医科大学入学者に占める女性の割合は約3分の1となっており,今後も女性医師の割合は高まる見込みである.
女性医師が増えること自体は,患者の視点からもメリットが多く,男女共同参画の観点からも当然のことと言える.しかし,女性医師の場合,妊娠の一時期・出産時には臨床の現場から離れなければならず,その後も仕事と育児の両立という現実に直面することになる.わが国の医師の慢性的な長時間労働や不規則な勤務形態の現状から,離職や長期休業,非常勤などの不安定な勤務形態への変更を選択せざるを得ない女性医師が多いのが現状である.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.