特集 ステークホルダーマネジメントとしての病院広報
巻頭言
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部
pp.109
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210640
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病院の「広報」という言葉からどのようなことが思い浮かぶか.読者の中には,患者を集めるための「広告」をイメージされる方もおられるだろう.昔から存在する駅構内の病院の看板などはその典型であろう.最近ではインターネットのホームページやFacebookなどのSNSなど,広報媒体が多様化してきているが,集患のためのツールが広報であるという意識を持つ病院関係者は少なくないように思われる.
しかし,広報学の理論に学ぶと,広報という概念には広告を超える多様な考え方が含まれていることが分かる.日本語の広報に対応する英訳は「パブリック・リレーションズ」である.わが国で普及しているPRという単語は,「Public Relations」の頭文字を取った言葉である.組織と組織の存続を左右するパブリック(公共)との間に,相互に利益をもたらす関係性を構築し,存続をするマネジメント機能がパブリック・リレーションズであるとされている.
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