特集 国民健康保険制度の組織改革が病院に何をもたらすか
巻頭言
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部
pp.177
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210053
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2015年5月,国会で医療保険制度改革関連法が成立した.これにより,2018年度から都道府県が市町村と共同で国民健康保険を運営する新たな体制に移行することになる.
1938年に創設された国民健康保険制度は,1961年の新国民健康保険法の制定による国民皆保険の達成を経て,国民の生命を守るセーフティネットとして重要な役割を果たしてきた.しかし,近年の少子高齢化の進行や非正規労働者の増大など,わが国の社会保障をめぐる変化により,国民健康保険は,加入者が高齢であることによる医療費支出の高さ,低所得加入者が多いことによる保険料負担の重さ,保険者である市町村の財政の不安定や自治体間の格差などの構造的な問題を抱えるに至った.
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