特集 病院における歯科
巻頭言
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部 マネジメント総合学科
pp.773
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102366
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わが国において,医科と歯科は身分法が医師法と歯科医師法に分かれ,それぞれの業務は名称独占・業務独占となっている.大学教育も医学は医学部,歯学は歯学部でそれぞれ別に教育されている.しかし,両者は完全に独立しているのではなく,口腔外科領域で共通部分を持つ.さらには,口腔ケアが手術後の合併症の発生頻度を低下させるほか,口腔内常在菌の誤嚥による誤嚥性肺炎や,抗がん剤の使用による多発性口腔粘膜炎(口内炎)の予防,QOL(Quality of Life)の向上に貢献することが広く認知されてきている.合併症や肺炎の抑制は,無駄な医療費の抑制にもつながる.
2012年の歯科の診療報酬改定においても「チーム医療の推進や在宅歯科診療の充実等」に関して重点的に配分がなされ,「周術期における口腔機能の管理」「医科の医療機関との連携,医科歯科併設の医療機関の取り組み」「在宅歯科診療」の評価が行われた.
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